タタールスタン周辺




タタールスタン共和国の位置するヴォルガ川中流域には、ロシア人以外に主に6つの民族(タタール人、バシキール人、チュヴァシ人、モルドヴィン人、マリ人、ウドムルト人)が住んでおり、それぞれの民族共和国(タタールスタン共和国、バシコルトスタン共和国、チュヴァシ共和国、モルドヴィア共和国、マリ・エル共和国、ウドムルト共和国)があります。

これらの民族は大きく二つのグループに分かれます。チュルク系(トルコ人やウズベク人などの親戚)のタタール人、バシキール人、チュヴァシ人と、フィン・ウゴル系(フィンランド人やハンガリー人などの親戚)のモルドヴィン人、マリ人、ウドムルト人です。系統は違えど、長年同じ地域で暮らしてきたため、彼らの言語や文化には様々な共通の特徴が見られます。

このページでは、タタール人以外の2つのチュルク系民族について紹介します。


バシキール人

ロシア連邦バシコルトスタン共和国の南東部に主に居住するチュルク系の民族。ロシア連邦内の人口は約158万人で、ウクライナ人に次いで4番目に多い。そのうちバシコルトスタンに約117万人が住み、人口の約3割を占める。(2010年国勢調査)。主にバシキール語を母語とし、多くはスンナ派イスラム教徒。

バシキール語タタール語と同じく、チュルク諸語の北西グループに属する。タタール語と非常に近い言語であり、お互いに通じる。ロシア連邦内の話者数は約115万人(2010年国勢調査)。バシコルトスタンではロシア語とともに国家語と定められている。


チュヴァシ人

ロシア連邦のチュヴァシ共和国を中心に、ヴォルガ・ウラル地域に居住するチュルク系の民族。ロシア連邦内の人口は約144万人で、バシキール人に次いで5番目に多い。そのうち、チュヴァシ共和国に約81万人が住み、人口の約68%を占める。タタールスタンには約11万人(タタールスタンの人口の約3%)が住み、タタール人、ロシア人に次いで三番目に多いバシコルトスタンにも約11万人が住んでおり、人口の3%弱を占める(2010年国勢調査)。主にチュヴァシ語を母語とし、多くはロシア正教徒。

チュヴァシ語は、チュルク諸語オグール・グループに属する唯一の現存言語で、他のチュルク諸語とは大きく異なっている。ロシア連邦内の話者数は約104万人(2010年国勢調査)。チュヴァシ共和国ではロシア語とともに国家語と定められている。


別のブログ イデル=ウラル通信 では、タタール語をはじめ、ヴォルガ中流域の諸民族語のメディアのニュース翻訳を行っています。

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