タタール料理

タタール料理と聞いて、どんなものを想像するだろう?
きっと多くの人は想像もつかないタタール料理。

地理的要因からか、歴史的に多様な民族との交流があったタタール人はあらゆる民族の料理を自分たちの料理に取り入れていった。タタール料理は、アジア料理とヨーロッパ料理の間の子のようでとってもユニーク。



タタール料理は大まかに4つのカテゴリーに分けられる。
・焼き料理 (メインディッシュ)
・肉を使った料理 (メインディッシュ)
・スープ
・サラダ
このページでは有名なものや、筆者オススメのタタール料理を随時写真やレシピを交えて紹介していく。ここにはないけれど、これも美味しいよ!という情報もお待ちしています。


焼き料理 (Камыр ашлары)
Өчпочмак (オシポシマック)
オシポシマックは「三角形」という意味で、その名の通り三角のパイ。タタール料理の代表格で、軽食としても広く食される。
中身の多くはひき肉と玉ねぎとジャガイモを塩コショウで味付けをしたもの。
日本のおにぎりのように手軽に食べられる軽食として、スーパーのお惣菜コーナなどでもお馴染み。安くて手軽なパイで、老若男女に人気の伝統的なタタール料理である。

レシピはこちらから。




Чәк-чәк (シェクシェク / チャクチャク)
ロシアのみならず、旧ソ連圏なら東から西まで広く食されているタタール料理の代表格。タタール料理といえばコレである。
細かく切った小麦を揚げ、ハチミツをまぶしたお菓子で「タタール版かりんとう」という表現がピッタリな昔懐かしい感じがするお菓子だ。

客人をもてなすときにも、日常生活でも、タタールの生活に深く根付いた菓子で、お土産としても重宝される。

レシピはこちらから。


Пәрәмәч (ペレメシ)
ロシア全域のみならず、旧ソ連圏で広く食されるタタール風パイ。ベリャシュ(ベレシュではない)というカザフ料理にも似ている。ペレメシもタタール料理を代表するパイの一つで、頻繁に食されている。
中身はひき肉と玉ねぎを塩コショウで味付けしたものが多く、口に入れるととってもジューシーで美味しい。
なお、焼けたものはフライパンに重ね、皿には盛りつけずにフライパンから直接食べるのが伝統的な食べ方。

レシピはこちらから。


Бәлеш (ベレシュ)
ベレシュはタタール人が客をもてなす際には欠かせない"大皿料理"のひとつ。羊肉と牛肉、じゃがいもと玉ねぎを塩コショウで味付けた具材を皿のように形作った小麦生地に入れて、オーブンで焼いたもの。

具材からお察しのとおり、味は日本の肉じゃがにも似ていて、間違いなく日本人受けのするタタール料理だろう。

大人数で切り分けて食べる。

レシピはこちらから。


Кыстыбый (クストゥブイ)

薄いパイ生地で具材を包んで焼いた、タタール風パイ。具材の多くはジャガイモをマッシュしたものだが、家庭によっては肉と玉ねぎを混ぜたりとさまざま。

ちなみに「クストゥブイ」という呼び名はタタールスタン全域で聞かれるが、地方によっては「クジクマック」や「ヤクミシュ」と呼ばれることも。料理自体は同じものを指す。

レシピはこちらから。


Гөбәдия (ギョベディヤ)
タタールの祝い事の席でよく食べられている大きなパイ。大きな生地の中には米や肉、レーズン、カッティク(カッテージチーズのようなもの)が入っていて、甘くてしょっぱいユニークな料理。

某テレビ番組では美味しくないと評価されていて非常に残念。しかし、本場のギョベディアは本当に美味しい。とりわけ、ギョベディアと熱いチャイ(紅茶がオススメ)は絶妙なマッチングなので、一度試してみてほしい。

レシピはこちらから。


Бөккән (ビョッケン)

三日月のかたちが特徴的な伝統的なパイのひとつ。タタールスタン内でも地域によって呼び名が異なる。
ビョッケンは主に地方(農村部など)で広く食されていて、具材は作るときによって異なるとか。(あまりものなどを入れるという)

主な具材はにんじん、キャベツ、じゃがいも、ズッキーニなど。


レシピはこちらから。



Сумса (スムサ) 
主に中央アジアで広く食されているスムサ(中央アジアではソムサやサモサと呼ばれる)は、タタール人にも人気の食べ物だ。
他のパイと同様に、中身は牛ひき肉に玉ねぎを塩コショウで味付けをしたもの。中央アジアで食されるものは基本的には羊のひき肉だが、タタールでは牛ひき肉が主に使われる。鶏肉を使うことも。

レシピはこちらから。



Бавырсак (バウルサック)
タタールのみならず、中央ユーラシア一帯で広く食される揚げパン。小麦を練って、こぶしサイズに丸めて揚げたもの。

タタールのバルサックの中身の多くはソーセージだったり、木の実(ナッツ)が入っていることが多い。
しかし、カッティク(カッテージチーズのようなもの)や、牛の肝臓をミンチしたものなど、そのバリエーションは地方や家庭によって様々である。

レシピはこちらから。


Чүбәрәк (チュベレク / チェブレキ)




Юка (ユカ)




肉料理 (Итле ашамлыклар)


Азу (アズー)



Бишбармак (ビシュバルマック)





Куллама (クッラマ)





Лагман (ラグマン)






Манты (マンティ)





Пилмән (ピルメン)



Пылау (プラウ)




スープ (Шулпалар)

Татарча солянка (タタルシャ・サリャンカ)






Чумар (シュマル)








サラダ (Салатлар)
  • Бәрәңге салаты

2 件のコメント:

  1. 始めまして。
    タタールに興味をもって、たまたまこちらのサイトに辿り着きました。
    神戸に住んでいるものです。
    タタール料理を食べてみたいと思うのですが、神戸で食べられるお店があれば教えていただけますでしょうか。どうぞよろしくお願いします。

    返信削除
    返信
    1. コメントいただきありがとうございます。
      残念ながら、日本では今のところタタール料理を食べられる料理店などはありません。日本に暮らすタタール人の家に呼ばれるのが近道です。

      削除