2015年8月22日土曜日

【タタールスタン観光】アルスクの街とタタールのお祭りサバントゥイ

アルスク行の列車。アメチェヴォ駅にて。
カザンから電車で一時間半、北東におよそ60キロのところにアルスク(Арск/Арча)という人口2万人ほどの町がある。人口の9割をタタール人が占めるタタール人の街だ。筆者はカザン留学中に三回、一回目は2014年11月に街を見に、二回目は2015年6月にタタール人のお祭りサバントゥイ(Сабантуй)を見に、三回目は2015年12月に学術会議であいさつをしに、この町へ行った。今回はアルスクの街とサバントゥイについてご紹介したい。

アルスクの街

アルスク駅舎
駅に付いたら歩道橋を渡って市街地に出る。歩道橋からは美しいアルスク駅舎をはじめ、街が一望できる。

アルスクの街の中心は、カザンカ川を渡った向こうの丘の上にある。歩道橋を降りてまっすぐ道を進む。


街の中心にはこの街のランドマーク的存在であるアルスク・タワーがそびえている。中には入れなかった。



タワーの下から見た街中心部の風景。このあたりでは一番大きな町なだけあって、市場や商店が並び、人通りも少なくなかった。

タワーの隣には文化センターの建物がある。ここではコンサートなども行われているようだ。
 ちょっと先に行くときれいな青い教会がある。この記事でも紹介した、生神女庇護教会だ。タタール人がほとんどを占める街にもこのような立派な教会があるのに驚いた。

中心部から少し奥に入ったら、タタール風に装飾された民家が立ち並ぶ。カザンのような大きな都市ではあまり見られない風景だ。
中心部にカフェがなかったので、通行人に聞いて(タタール語で聞いたがロシア語で返された)、言われたとおり行ってみたところにカフェがあった。ここで頂いたシャウルマは絶品だった。ここの店員さんもロシア語しか話さなかった。
食事を済ませて歩き始めると、立派なモスクを見つけた。
アルスクには有名な歴史民俗博物館があったので入ってみた。














博物館の中。昔のタタール人の暮らしに関する展示物が多かった。

有名な詩人ガブドゥッラー・トゥカイの作品に出てくる怪物シュラレ。緑色の体、鋭い角、尖った耳、長い指と爪が特徴で、人をくすぐって殺す。

博物館を出た後は、市場に行くために再び中心部に向かった。 途中、南の集落が見える景色のいいところがあった。
 アルスクの市場。様々なものが売られていた。ここで写真を撮っていると、おばあさんから「私を撮ったのかい?」とタタール語で話しかけられた。「景色を撮っていました」と答えると笑っていた。タタール語で話しかけられるということはカザンではまずないので、大変うれしい気持ちになった。同行した友人はここでとても暖かいダウンを購入した。その店のおばさんはタタール語とロシア語を混ぜ混ぜで話した。「夜は危ない若者がいるから、早く帰ったほうが良い」と言われ、帰ることにした。
写真に写っている白いバスに乗って駅に帰った。バスでは車掌さんにタタール語で質問したがロシア語で返された。













アルスクのサバントゥイ
サバントゥイのメイン会場。真ん中では様々な競技が行われる。
サバントゥイは夏に行われるタタール人のお祭りだ。レスリングや競馬、袋履き競争など様々な競技が行われ、体育祭のような雰囲気がある。

開会式などが終わると、きれいに飾られた馬車が場内を一周する。
メイン会場の外には出店や遊具があり、昼食時はかなりの人出だった。なぜかトラやラクダがいた。

競技の一つに競馬もある。別の会場で行われた。最大の見どころの一つで、多くの人が見に来ていた。













アルスクの大学とアルファベット博物館

2015年12月、アルスクにある大学で行われた学術会議で挨拶するため、三度アルスクへ。挨拶を終えた後、大学内にあるアルファベット博物館を見学した。

 アルファベット博物館の内部。

タタール語はアラビア文字→ラテン文字→キリル文字と、20世紀の間に二回も文字が変更された歴史を持ち、この博物館には、それぞれの文字で書かれた本などが展示されている。
 ソ連時代の教室の再現。
 世界の文字に関する展示もあり、その中には日本語も。
大学の敷地内にはアルファベットにささげられた像がある。














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