2015年8月9日日曜日

【ニュース】瀬下さん「日本でイスラムを学ぶにはタタールの歴史を知らなければならない」

201582日 Азатлык Радиосы

私たちは、近年日本でタタール語やタタール文化への関心が高まっていることについてすでにいくつか記事を書いた。最近、東京で行われているタタール語講座についてもお伝えした。その前も、タタール語を学ぶ日本人の菱山湧人さんと中村瑞希さんについて紹介した。

間もなく、私たちは東京でタタール語講座に通う他の日本人についても詳しくご紹介しようと思う。今日は、タタール人の歴史に興味を持ち、タタールスタンに来ることを夢見る瀬下さんとの対談をお読みいただきたい。

瀬下さんは埼玉県宮代町で生まれ、大学ではフィンランド語やスカンジナビアの文化を専攻とした。副専攻としてドイツ語とスウェーデン語を学んだ。

私たちは瀬下さんから、タタールの歴史やタタール語への興味がどこから生まれたのかについて聞いた。彼は私たちの質問に、少し間違いがあったものの、タタール語で答えた。

記者:瀬下さん、タタール民族にどうして興味を持ち始めたのですか?
瀬下さん:大学卒業後、職場でアラブ諸国や南アジアから来た同僚と一緒に働きました。その時にイスラムやアラビア語に興味を持ち始めました。
私のタタール語を学びたいという気持ちは、日本とロシアの歴史への興味から生まれたのだと思います。まず、私は日本にイスラムを広めに来た偉大な学者ガブドゥレシト・イブラヒモフに興味を持っていました。彼はタタール人です。そのため、日本のイスラム史を学ぶためにはタタール民族とその歴史を知らなければなりません。そのため、タタール語を学ぶ必要が出てきました。
次に、ウドムルト語を学んでいるときに一回ウドムルト共和国に行ったことがあります。そこで、タタール民族の歴史を知らずに、私が準備しているヴォルガ諸民族の歴史や文化の概観を行うことはできないということがわかりました。


記者:タタール語をどうやって勉強していますか?
瀬下さん:私はタタール語の多くの教科書を読むようにしています。マルガレット・エルセン・ラシュの「タタール語‐初級者・中級者のための教科書」という教科書を持っています。また、レイセン・シャヤフメトヴァの「初級者のためのタタール語」と言う教科書も読んでいます。これ以外にタタール語、ロシア語、ウドムルト語で書かれた「タタール語・ロシア語・ウドムルト語会話集」も使っています。

記者:カザンに来たことはありますか?来たいですか?
瀬下さん:残念ながら、来たことはありません。モスクワからイジェフスクに旅行した時は列車ではなく飛行機で行ったので、ロシアにいた時はカザンに来ることができませんでした。将来、可能であれば、タタールスタンに来たいと思います。

記者:タタール語は難しいですか?他にどんな言語を知っていますか?
瀬下さん:日本語、琉球語、ドイツ語、フィンランド語、エスペラント、それから少しウドムルト語ができます。ロシア語とアラビア語も少しわかりますが、うまく話せません。アラビア文字の読み書きができます。大学で学んだスウェーデン語は忘れました。私からすると、ロシア語と比べてタタール語の文法は日本語や琉球語とよく似ています。そのため私にとってはそれほど難しくないと思います。しかし日本語や琉球語にはタタール語のような所有接辞や母音調和がありません。最初タタール語を学ぶときに難しかったのはそこでした。


記者:タタール文化の何が気に入っていますか?
瀬下さん:もちろん、チャクチャクがとても好きです(笑)。しかしタタールスタンにはチャクチャクよりも甘い文化があります。詩です。例えば、ガブドゥッラー・トゥカイは世界的に有名です。彼の「母語」という有名な詩が一番好きです。なぜなら彼の詩にある言語についての考えは、琉球語話者にとっても現実味を帯びたものだからです。子供たちはもう琉球語を母語として話していません。私からすれば、「母語」の詩は日本でもロシアでも母語の問題を現実的なものにしています。

東京で私にとって、アニミズムにとって神聖な場所は、ガブドゥレシト・イブラヒモフの墓です。




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